一般的に高血圧というと、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くことは知られています。
さらに、血圧が高いまま放置しておくと腎臓機能まで悪化してしまうというのです。
この記事の目次
なぜ血圧が高いと腎臓が悪くなるのか
腎臓は毛細血管のかたまり
その理由は腎臓が毛細血管のかたまりのような構造になっているからです。
血圧が高いということは血管への圧力が高いということです。
血管への圧力が高いとだんだんと血管へのダメージが蓄積されます。
腎臓には血液を濾過する糸球体という器官があるのですが、細い血管がコイルのようになったような構造、いわゆる、毛細血管のかたまりのようなもののため、高血圧による悪影響を受けやすいのです。
ちなみに糸球体とは細い毛細血管が毛糸の球のように丸まってできているため、そのような名前が付けられています。
まさに毛細血管のかたまりですね。
成人の腎臓の大きさは、長さ約12cm、幅約5cm、厚さ約3cm、重量約150gで、大体握りこぶしと同じ大きさと言われています。
糸球体は体の水分を集めて濾過して、尿細管という細い管で体に必要な成分を再吸収しています。
糸球体の大きさは0・1~0・2ミリほどで、この中にぎっしりと細い血管が詰まっています。
また、1つの腎臓に約100万個の糸球体があります。
そのため、高血圧状態が続くと腎臓はダメージを受けやすくなります。
腎臓の毛細血管がダメージを受けるとどうなるか
糸球体の毛細血管の一部でも目詰まりを起こすと、周囲の毛細血管へも目詰まりが波及し、糸球体そのものの機能が落ちます。
糸球体は片方の腎臓に約100万個あるため、1つの糸球体の機能が落ちても、自覚症状はありませんが、この状態が続くと腎臓の機能低下に拍車がかかってしまいます。
仮に100万個の糸球体の10分の1が低下すると、残りの糸球体でカバーすることになり、残りの負荷がかかった糸球体の機能も落とすことになります。
そうなると尿として水分を排出する能力は保たれますが、ナトリウムを排出する能力が落ちます。(ナトリウム=塩の成分です)
血中のナトリウム量が上がると、それを薄めるために血液量が増えるため、全身に血液を送る勢いが必要なため、血圧が上がります、
こうなると、腎機能低下⇒血圧を上がる⇒血圧の上昇で腎臓がますます悪くなるという負のスパイラルに陥ってしまいます。
そもそも腎臓には、血圧を調整する役割もあるため、腎機能が低下すると血圧は上昇しやすくなります。
一度悪くなった腎臓は、元に戻すことはできませんので、高血圧を改善し、現在の腎臓の能力を守ることが重要ということになります。
腎臓機能のチェック方法
では、高血圧に大きな影響を与える腎機能ですが、どのようにチェックをしたらよいのでしょうか。
腎臓が受けているダメージは、尿の検査「タンパク尿」で知ることができます。
本来、体に必要なタンパクは尿には含まれませんが、糸球体がダメージを受けると尿中に排出されてしまうため、腎機能低下の指標のひとつになっています。
健康診断などでタンパク尿が出たら腎臓内科の専門医を受診し、腎機能をよく調べてもらいましょう。
また、家庭での定期的な血圧測定も大切です。
まとめ
◆腎臓は毛細血管のかたまりのため、高血圧の悪影響を受けやすい
◆腎臓機能低下 ⇒ 血圧の上昇 ⇒ さらに腎臓機能低下という負のスパイラルに陥ちいりやすい
◆腎臓機能のチェックは尿検査(タンパク尿)で確認する。
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