高血圧の改善方法というと、減塩、減量、投薬などがすぐに頭に浮かびますが、これからは口の中、歯周病にも気を付ける必要がありそうです。

歯周病だと血圧が高くなるという結果

日本ではなく、イタリアでの研究です。

イタリアはラクイラ大学のDavide Pietropaoli氏らの研究によると歯周病がある患者は血圧が高くなる傾向があるという結果がでました。

研究の結果は以下の通りです。
2009~2014年の米国国民健康栄養調査(NHANES)データを用いて、30歳以上の高血圧患者3,600人以上の医療記録と歯科治療の記録を後ろ向きに分析し、歯周病が血圧コントロールに及ぼす影響について町さしました。

その調査の結果、降圧治療を受けている高血圧患者では、歯周病がある場合には、歯周病がない場合に比べて収縮期血圧の平均値が2.3~3.0mmHg程度高いことが分かりました。

仮に収縮期血圧が150mmHgだとすると、2%の増加です。私でも血圧を測る時に状況や体調によって、このくらいの変動はありますので、誤差の範囲かなとも思います。

しかし、怖いのは次の結果です。

歯周病があると降圧薬が効きにくく、歯周組織の健康状態が良好だった人に比べて降圧目標を達成できる確率が20%低いという結果がでました。

これは怖いですね。せっかく降圧薬を飲んでいるのに、5人に1人は目標達成できないことになります。

ラクイラ大学大学の口腔外科医であるPietropaoli氏は次にように言っています。

「内科医は、特に高血圧患者では口腔衛生に十分に配慮し、歯周病の徴候が見られたら積極的に歯科治療を勧める必要がある。

一方、歯科医師は口腔衛生が健康全般にとって重要な要素であることを念頭に置くべきだ」

内科医と歯科医の連携が重要だということですね。しかし、実際は実現が難しそうです。

歯周病の細菌が影響の可能性

では、なぜ歯周病が血圧をあげたり、降圧剤の効果を抑えてしまうのでしょうか?

原因の一つと考えられているのは、歯周病の原因菌です。

歯周病になってしまうと原因菌が血管を巡ってしまうことになります。

歯周病原因菌の刺激により動脈硬化を誘導する物質が出て血管内にプラーク(粥状の脂肪性沈着物)ができてしまい、血液の通り道は細くなり、血圧が上がります。

脳の血管のプラークが 詰まったり、頸動脈や心臓から血の塊やプラークが飛んで来て脳血管が詰まると脳梗塞を発症します。

歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞になり易いと言われています。これも怖いですね。

次に歯周病の予防について説明します。

高血圧の方は歯のケアも大切

では歯周病にならないためのポイントを説明します。

歯ぐきの状態をチェックする

歯周病は自覚症状が少ない病気です。匂いとか痛みはかなり進行してからの症状です。

日常のチェックが大事になるのですが、初期の症状ではわずかに歯ぐきの腫れを認めることができます。鏡を見て、歯ぐきが赤くはれていたら注意です。

また、フロスや歯磨きで歯茎から出血する場合も歯周病のサインです。

歯みがきで歯こうを取り除く

歯みがきで歯こうを取り除くようにしましょう。これは歯周病予防の基本です。歯こうは歯垢とも書き、歯の表面に固く付着した汚れで細菌のかたまりです。

歯こうが固くなると歯石になってしまいます。

歯こうがつきやすい歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、かみ合せの部分を意識して歯みがきをします。

歯ブラシの毛先を歯にしっかり当て、1〜2本ずつ丁寧にブラッシングします。歯間ブラシ、デンタルフロスを使用はさらに効果的です。

歯周病ケアに適した歯ブラシを選ぶ

細かいところまで届く小さめの歯ブラシがおすすめです。また、歯茎を傷つけることもありますので、固い毛のものは避けましょう。

間食を控える

虫歯の予防と同じですね、間食などでダラダラと飲み食いすると、口の中が汚れ、歯周病菌などの細菌類が繁殖しやすくなります。

定期的な歯科検診

虫歯でなくとも定期的に歯科医にチェックしてもらいましょう。

また、プロの技術で歯垢や歯石もとってくれます。

まとめ

 

◆歯周病があると、収縮期血圧の平均値が2.3~3.0mmHg程度高い。

◆歯周病があると降圧薬が効きにくく、降圧目標を達成できる確率が20%低い。

◆歯周病の原因菌がプラークを作成すると考えられる。

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