高血圧性脳症とは
急激な血圧の上昇により、脳内の毛細血管内から血管外へ血漿成分(*1)がしみ出して、
脳にむくみを起こします。
(*1)血漿成分とは赤血球、白血球等を除いた液体成分のことです。
その結果、頭蓋骨の中の圧力が高まる緊急性高圧症の一つです。
高血圧性脳症の症状
脳圧が上がることにより、脳がむくみます。脳浮腫と同じ症状が現れます。
具体的には、激しい頭痛、吐き気または嘔吐、意識障害、視力障害、
手足のけいれん等です。
最悪の場合は死に至ることもあります。
高血圧性脳症の原因
慢性的な高血圧、腎臓病、妊婦性高血圧等が原因となります。
これらの疾患の治療が進まないと、脳の血管には自動調節機能が、
うまく効かなくなり、高圧性脳症が発生します。
脳の血管には、血圧の上昇・下降に対して血管を収縮・拡張させて
血管抵抗を増大・減少させ、脳の血流を一定に保とうとするはたらきがあります。
これが、脳の血管の自動調節機能です。
しかし、この自動調節能の範囲を超えて血圧が著しく上昇すると、
脳血流は異常に増え、脳の毛細血管内から血管外へ血漿成分がしみ出して、
高血圧性脳症となります。
但し、高血圧性脳症までなる血圧が上がるのはまれです。
高血圧性脳症の治療
拡張期の血圧(下の方の血圧ですね)が120mmHgに達した場合、
頭部のCTやMRIで診断します。
緊急性高圧症と診断され、入院での治療になります。
静脈ルートを確保し、呼吸・心拍監視を行いながら、静注降圧薬の持続静注で降圧を図ります。
状況をみながら、慎重かつ確実に血圧を下げます。
けいれん発作がある場合は、抗けいれん薬も使用します。
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