冬のお風呂は暖かくて気持ちがいいものです。
しかし、お風呂に入ろうとして、服を脱いだ時にひやっとしたことはありませんか?
また、お風呂に温まって気持ちよくなったところ、お風呂から出る時もひやっとしますよね。
実は、高血圧の方や高齢者にとって、冬の浴室は危険な場所なんです。
入浴事故の年間死亡者数は14000人で、中でも1月~2月の寒い時期に急増するという数字があります。
また、日本の溺死は、海での水難事故の多いギリシャについで第2位という驚きの結果もあります。
脱衣所や浴室が冷え込んでいると、血管が縮むことにより、血圧が上がります。
お風呂に入ると体が温まり、今度は血管が広がることにより血圧が下がります。
急に血圧が下がると、脳に必要な血液が届けにくくなり、意識障害や失神を起こしやすくなり、溺れてしまう危険性が高くなります。
また、お風呂から出ると、寒さにより血管が縮み、血圧が上がります。
このように冬の浴室は、血圧の急激な変化を起こし、また溺れる危険性が高いという、とても危ない場所になっています。
特に、高血圧の方や高齢者の方は血管の硬くなっているため、血圧の変動幅が大きくなります。
東京都健康長寿医療センターの実験結果では、浴室や脱衣所の温度を温かくすると血圧の変動幅が、半分程度に抑えられるという結果が出ました。
実験は、東京ガスの試験場で実施されました。
62歳~77歳の男性31人が参加し、入浴時の血圧の変化を測定しました。
結果、脱衣所と洋室の温度を18度、お風呂の温度を41度にした場合、服を脱いだ直後の血圧は154に上がりますが、お風呂に入ると122まで急降下。
また、お風呂から出ると血圧が再度、上昇しました。
一方、脱衣所と洋室の温度を25度に設定すると、脱衣時とお風呂から出た時の血圧が146程度と、血圧の変動幅が小さくなりました。
この実験の結果により、脱衣所と洋室の温度を温かくすることにより、血圧の変動幅を抑え、冬の浴室の危険度を下げる効果があると考えられます。
◆冬の浴室は血圧の変動幅が大きいくなるため危険。
◆特に高血圧の方、高齢者は血管が硬くなっているため、危険性が高くなる。
◆冬の浴室の危険度を下げるのは、浴室、脱衣所を暖かくすることが有効。
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